介護施設を利用している高齢者に対する介護士の虐待、暴力による事故が相次いでおり社会問題になっています。なぜ介護のプロである人々が問題を起こしてしまうのでしょうか。その原因と対応法を紹介します。
介護の仕事は多忙な上、配慮しなければならない事が多いため、現場に対応できず、すぐに辞めてしまう人も少なくありません。そのため、常に慢性的な人手不足を招いています。過酷な仕事環境に加え、人手不足によって介護従事者にかかる仕事量や責任が多くなっているのが、今の介護業界の現状です。そのため介護士は過度なストレスを抱えることになります。介護の中でも特に大変なのは、認知症の高齢者の世話です。認知症の高齢者は、一人ひとり症状が違うので対応が大変です。人手不足の過酷な労働環境に加え、認知症患者による暴言、暴力は、介護側にとって苦痛となる場合も多いのです。そのため、介護士もストレスを抱え、虐待や仕事放棄などに至るケースが増えています。
介護業界での介護側による虐待の相手は、8割が認知症患者といわれているので、認知症患者に対する対応の難しさが虐待の一番の原因といわれています。そして人手不足による教育不足も原因のひとつです。介護職における先輩、上司がどうしても自分の仕事でいっぱいいっぱいになってしまい、新人教育まで手がまわらないというのが今の現状です。対応策としては、職場の人間同士のコミュニケーションを徹底し、何が今の問題かを話し合いの機会を設けることが有効でしょう。また、介護の心構えを学んだ上で仕事に臨むことも重要です。